琉球王国最大の木造建造物「首里城正殿」が精密に再現できる模型キット
1429年から1879年までの450年間にわたり存在した王制の国、琉球王国では、中国や日本、東南アジアとの盛んな交易により、独自の文化が育まれた。そんな琉球王国の政治、外交、宗教的儀式の拠点として栄華を誇ったのが首里城である。
正殿は王国最大の木造建造物で、正式名称を「百浦添御殿(ももうらそえうどぅん)」という。文字通り全国百の浦々を支配する象徴として最も重要な建物であった。2層3階建ての正殿や、装飾の施された龍柱(りゅうちゅう、りゅうばしら)は琉球独自の形式で、建屋の1階は「下庫理(しちゃぐい)」と呼ばれ、主に国王自ら政治や儀式を執り行う場、2階は「大庫理(うふぐい)」と呼ばれ、国王と親族・女官らが儀式を行う場であった。
キットは1/150スケールの精密木製模型。職人の技術による機械加工と高精度レーザー加工により、丸柱(まるばしら)からなる障子戸付の壁、格子窓や庇など、首里城正殿が細部まで再現できる。
■サイズ/全幅390×全高155×奥行250mm
■材質/木製部品(ヒノキ、シナ、スプルス、アガチス、神代タモ ほか)、金属部品(ソフトメタル、銅線)
■完成重量/約700g
■製作参考時間/約50時間
■付属品/組立説明書、特殊シール、障子紙、正殿御庭模様紙
※画像は製作した完成品に着色を施した完成イメージです。着色には別途、塗料を購入する必要があります(朱色に塗装されていない完成品の画像も、屋根上の3つの龍頭飾り、階段下の左右2つの茶色の大龍柱、台座側面は着色しております)。
※情景小物(人物)はキットに含まれません。
特殊な構造で難航した首里城の模型化
ウッディジョー社が首里城の模型化に着手したのは今からおよそ13年前。首里城公園管理センターから提供を受けた図面を始め、膨大な写真や資料を元に設計を開始したが、琉球独特の建築様式や装飾を誇る首里城正殿の再現作業は難航。試作と改良を繰り返しながらも、完成にたどり着けないまま歳月が流れた。
そんななか発生した2019年10月31日の火災。沖縄県出身の関係者からの「沖縄県民の心を完成させてほしい」という激励を受け、社員一丸となって本キットを完成させた。
単に細部まで忠実に再現するのではなく、模型である以上、組み立てやすさも重要との思いから、その両立には特に苦心したという。
ウッディジョーの精密木製城模型
日本唯一の木製帆船模型メーカーでもある「ウッディジョー」が手掛ける精密木製城模型。ヒノキや神代(じんだい)タモなどの厳選した木材を、レーザー加工と職人の手作業による刃物加工で精巧にパーツ化している。一つひとつ組み上げて完成させた城郭模型は、美しい木目と実物さながらの迫力で、達成感もひとしお。